お屋敷レポート③
間が空いてしまいましたが、お屋敷レポートの最終回です。
旧前田侯爵邸は広大な敷地に建っていて、駒場公園内に保存公開されています。
今回はいよいよ居住されていた洋館です。
堂々たる景観です。
この立ち入り禁止の赤いコーンがせっかくの景観を著しく損ねていますよね。(-_-)
どうにかなりませんか?
洋館の南側は、広大な柴庭となっています。
ゴルフやスキー、園遊会に使われたそうです。
現在は多数の桜が植えられています。
春にはさぞかし見事なものでしょうね。
洋館のほとんどの部分が無料で公開されています。太っ腹なものです。
玄関から入ってすぐのサロンと(左)と第一応接室(右)です。
お客様を最初に通す部屋です。
第一応接室の方は主に夫人や令嬢のお客様が通されたようで、やさしい雰囲気です。
大客室と小客室とは続き間になっていて、必要に応じて引き戸で仕切ることができます。
シャンデリアや壁紙は揃えられています。
柴庭に出られる開き戸のガラスは大きな1枚もので、当時は大変高価なものでした。
大食堂と小食堂です。
大食堂では26人のディナーが可能で、白大理石の大きなマントルピースは圧巻でした。
小食堂は家族用で、部屋の隅には、地下の厨房から料理を運ぶエレベーターがあります。
壁一面には、食器棚があり、えりすぐりの食器、カトラリーが揃えられていました。
階段広間とその周辺です。
ここだけでも、へでやがすっぽり入り、おつりがくる大きさです。(^^;;
広大な空間の中でも、階段下の小部屋イングルヌックは、寛げそうです。
窓からの優しい陽射しと暖炉の暖かさを造り付けソファで楽しみたかったです。(^ν^)
大きな館内ですから、他にも階段がいくつかあります。
こちらの方は、主に使用人の方たちが使われたのでしょう。ぐっと実用的です。
奥女中と呼ばれた人の部屋も2階に5室ありました。
女中溜まりという部屋では、奥女中が裁縫をしたり、お茶を整えたりしました。
奥女中は行儀見習いとして、金沢の女学校の優等生を校長先生が毎年伴ってきたそうです。
花嫁修行で、嫁入りにも箔がついたことでしょう。
2階は家族の生活の場で、書斎や夫人室、夫妻の寝室、子供部屋がありました。
どの部屋も絢爛豪華です。
調度類は、ロンドンであつらえたもので、駒場本邸から移したそうです。
部屋だけでなく、廊下や装飾もこれでもか、これでもかっていう豪華さです。
全体のバランスをとるためには、この造りがどうしても必要なのですね。
公開されていませんが、3階には滑り台やピンポン台、シーソー、様々な玩具のある子ども部屋、洗濯場、アイロン室があり、無数の長持ちや箪笥も置かれていました。
地下には「ご膳所」と呼ばれた台所、ボイラー室、倉庫があります。
そしてお決まり?のトイレ拝見。
格調高い入り口を入って行くと、和館同様、最新式にリニューアルされていました。
前田家の生活は、実に136人の使用人によって支えられていたそうです。
こういう所で毎日を送っていた一族が90年程前には居たのですね。
戦後は大変だったことでしょうと、つい要らぬ心配をしてしまいます。
へでは、へでやが分相応です。(^∇^)
帰りに洋館裏手の秋の様子をパチリ。
へでやに帰って、お散歩の途中の秋のワンショット。
自分の敷地に無くても、見るだけ手間いらずの風景です。( ^∀^)
ではまた。(^O^)